解体工事業登録と建設業許可について
解体業を営むには、二つの方法があります。
①建設業許可を取る
②解体工事業登録を取る
しかし、工事請負金額が500万円以上の工事を行う場合は、建設業許可が必要となります。
工事請負金額が500万円未満の解体工事を行う場合には、「土木」「建築工事」「解体工事」のいずれかの建設業許可を取得するか、もしくは、解体工事業の登録が必要になります。(「建設工事に係る資源の再資源化などに関する法律」建設リサイクル法)
解体工事業登録の方が、建設業許可へステップアップする理由のほとんどが、「大きな仕事が取れるようになってきたから、建設業許可を取りたい!」というものです。l
※一部許可や登録が不要な解体工事もあります。
※解体工事業登録は、解体専門の会社が取得することが多い印象ですが、解体工事を請け負うときは、元請人・下請人ともに建設業許可または解体工事業登録が必要となります。
解体工事業登録とは
●取得要件
①不適格要件に該当しないこと・・・以下の項目に該当する場合には、登録することができません。
1・解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過していない者
2・解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない者
3・解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内
に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない者
4・建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過していない者
5.暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(暴力団員等)
6・解体工事業者が法人の場合、役員の中に、上記1~5のいずれかに該当する者がいるとき
7・解体工事業者が未成年で、法定代理人を立てている場合、法定代理人が上記1~5のいずれかに該当するとき
8・法第31条に該当する者(技術管理者)を選定していない者
9・暴力団員等がその事業活動を支配する者
②技術管理者を専任していること・・・あらかじめ技術管理者を選任します。以下の項目のいずれかに該当する方がなることができます。
また、技術管理者は、他の解体工事業登録業者と兼ねることはできません。また、他の法令により常勤性・専任性を必要とする者と兼任することはできません。(他の建設業許可業者の経営業務の管理責任者、専任技術者)
●以下の項目に該当する者
大学(旧大学令による大学を含む。)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し2年以上の実務経験 を有する者 |
高等専門学校(旧専門学校令による専門学校を含む。)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し2年以上の実務経験を有する者 |
高等学校(旧中等学校令による実業学校を含む。)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し4年以上の実務経験を有する者 |
中等教育学校注2)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し4年以上の実務経験を有する者 |
解体工事に関し8年以上実務の経験を有する者 |
●国土交通大臣が実施する講習又は国土交通大臣が指定する講習を受講した者は、以下の要件でも可能
大学(旧大学令による大学を含む。)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者 |
高等専門学校(旧専門学校令による専門学校を含む。)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者 |
高等学校(旧中等学校令による実業学校を含む。)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者 |
中等教育学校注2)で土木工学科等注1)を修めて卒業し、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者 |
解体工事に関し7年以上実務の経験を有する者 |
※実務経験を証明するために、「実務経験証明書」の提出があります。この書類における「証明者」とは、申請人が実務経験を積んだ以前の法人・個人のことです。その者から実務経験の証明を得ることができない理由があるときは、その理由を記載し、使用者以外の証明や自己証明とすることができます。
※国土交通大臣が実施する講習、又は国土交通大臣が指定する講習は以下となります。
社団法人全国解体工事業団体連合会 | 東京都中央区八丁堀4丁目1番3号 | 03-3555-2196 |
●以下のいずれかの資格を持っている者
一級建設機械施工技士 |
二級建設機械施工技士(種別を「第一種」又は「第二種」とするものに限る。) |
一級土木施工管理技士 |
二級土木施工管理技士(種別を「土木」とするものに限る。) |
一級建築施工管理技士 |
二級建築施工管理技士(種別を「建築」又は「躯体」とするものに限る。) |
一級又は二級建築士 |
一級のとび・とび工の技能検定に合格した者 |
二級のとびあるいはとび工の技能検定に合格した後、解体工事に関し1年以上の実務 経験を有する者 |
技術士(2次試験のうち建設部門に合格した者に限る。) |
●解体工事施工技士に合格した者
●国土交通大臣が上記のものと同等以上の知識および技能を有する者と認定した者
解体工事業登録の必要書類
●書類関係 |
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解体工事業登録申請書 |
誓約書 |
技術管理者の実務経験その他技術管理者の要件を満たすことを証明する資料(講習修了証の写し、資格証の写しなど) |
本人の調書(法人の場合・役員の調書)(未成年の場合・法定代理人の調書) |
申請者本人の住民票の抄本(法人の場合・履歴事項全部証明書および法人の役員の住民票の抄本) |
技術管理者の住民表の抄本 |
●申請先・・・それぞれ解体工事を行う区域を管轄する都道府県に申請となります。建設業許可のような営業所の所在地ではないので注意してください。ちなみに埼玉県の場合は、県庁へ持参または電子申請となります。
●申請料(都道府県により異なる)
例・・・埼玉県の場合
新規 33000円
更新 26000円
※令和5年12月末以降、埼玉県では原則として現金での支払いはできなくなり、キャッシュレス決済となりましたのでご注意ください。
登録をした後は・・・
①5年ごとに更新があります。登録の有効期限が満了する日の2か月前から30日前までに申請します。
②建設業許可と違い、事業年度の決算変更届の提出は不要です。
③変更事項があった場合「変更届出書」の提出が必要です
・「商号、名所又は氏名、及び住所」
・「営業所の名称及び所在地」
・「法人の役員」
・「法定代理人」
・「技術管理者(郵送不可)」
上記の登録内容に変更があった場合、変更後30日以内に変更届出書の手続きが必要です。
④標識の掲示が必要です・・・営業所と解体工事の現場ごとに標識を掲げないといけません。
⑤帳簿の記載が必要です・・・解体工事1件ごとに記載し、保存しなければなりません。
⑥建設業許可を取得した場合は県に通知します・・・解体工事業登録の事業者が、建設業の「土木工事業、建築工事業、解体工事業」の許可を受けた場合には、解体工事業の登録はその効力を失い、事業者は許可を受けた都道府県知事に対してその旨を通知しなくてはなりません。
「建設業許可取得通知書」という書類を提出します。
解体業を始めようする場合、何の許可・登録をすればよいのか、メリット・デメリットがあると思います。
できれば、建設業許可を取得したいけれど、自分は該当するのか・・・などお悩みの方はこちらまでご相談ください。