産業廃棄物収集運搬業許可(積み替え保管なし)についてお話したいと思います。
産業廃棄物って?
まず、「産業廃棄物」とは、事業活動によって発生した20種類の廃棄物のことをいいます。
一例として、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック・・・などが挙げられています。
この産業廃棄物の処理責任は、排出事業者が負うこととなっています。
ちなみに、「産業廃棄物」に対して、「一般廃棄物」というものがあります。これは20種類の廃棄物以外のものを言います。
家庭用のごみやオフィスで出るような紙などの事業用ごみなどが含まれています。
こうした「産業廃棄物」を排出事業者から委託を受けて運搬する際に必要になる許可が、「産業廃棄物収集運搬業許可」です。
許可を取るために、まず必要なものは?
では、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得するにはどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。
まずは、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター主催の講習会を受けなくてはいけません。
非常に予約の取りにくい講習なので、早めに予約を入れておいた方が良いでしょう。
これは、自分の所在地や許可を取りたい県以外の県での実施の講習会でも大丈夫です。
⇒ 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター ホームページはこちら
この講習を受け、試験に合格し、修了証を受け取ります。基本的に法人の代表者や役員の方に受けて頂きます。
インターネットまたは用紙での申し込み、ともに可能です。
講習はネットまたは対面で受講ですが、修了試験は会場での受験となります。
受講料は下記の通りです。ネットの方が少しお安くなっています。
ネット形式での講習 | 対面形式での講習 |
25,300円 (2,300円) | 29,700円 (2,700円) |
「運搬施設」について
産業廃棄物を運搬する車両について、一般的なトラック(平ボディ車、脱着装置付きコンテナ・・・)などはもちろん、東京・埼玉・千葉・神奈川などでは乗用車登録も可能となっています。
車検証において、使用者が申請者名義となっていることを確認します。
使用者が個人で、許可申請者が法人であった場合、車検証の使用者を法人へ変更しなくてはいけない場合がでてきますのでご注意ください。
また、備考欄に「積載物は土砂等以外のものとする」との記載があった場合、瓦礫を運搬することはできませんので、車検証を改めて確認しましょう。
運搬する産業廃棄物の種類によってそれぞれ適した車両がありますが、飛散防止措置や他のものと混ざらないように注意することが必要になります。
場合によって、シート掛けをする、フレコンバックに入れて運搬する、などの措置が求められています。
また、車両の駐車場の確保も確認されますので、自己所有の土地または駐車場の契約が必須となっています。
「土地の全部事項証明書」や「土地の賃貸借証明書」が必要となります。
「経理的基礎を有していること」とは?
直近の決算に債務超過がないかがポイントとなっています。
事業において債務超過や利益が計上されていなかった場合、経理的基礎を有している証明として税理士または中小企業診断士による「財務診断書」が必要となります。
そうなった場合、追加費用が発生し、申請まで通常よりも時間を有する可能性があります。
どの都道府県の許可を取るのか?
産業廃棄物を、「積み込む場所」と「荷降ろし場所」の都道府県の許可が必要になります。
たとえば、埼玉県で産業廃棄物を積み込み、神奈川県で降ろした場合、埼玉県と神奈川県の許可がそれぞれ必要となります。通過するだけの東京都の許可は不要です。
そのため、あらかじめ、事業計画をしっかりと立て、どこの都道府県の許可を取得すべきなのかを決めておかなくてはいけません。
更新は・・・?
通常は、5年ごとの更新となっています。
しかし、通常の基準よりも厳しい基準をクリアした事業者には「優良事業者認定マーク」が許可証に押され、その場合は更新期間が5年から7年と優遇されます。
また、更新をする場合にも、講習会を再度受講することになります。この修了証(更新)の有効期限が2年間なので、許可が切れる時期を考慮し、計画的に講習を受講しておくのがよいでしょう。
産業廃棄物収集運搬業許可の取得をサポートいたします!
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